生命力が他の樹木に比べて比較的高めなオリーブの木ですが襲われると生命の危機にかかわってしまうような厄介な害虫がいます。
そのひとつがゾウムシの一種である”オリーブアナアキゾウムシ”です。
ではこのゾウムシがどのように厄介なのか、被害状況の例をあげつつ、駆除や対策方法についてもご紹介します。
ゾウムシからオリーブを助けるための駆除方法は?
オリーブアナアキゾウムシは日本固有種でオリーブが昆虫などから身を守るために出している”オレウロペイン”という物質をなぜか好む害虫です。
本来オレウロペインは昆虫系が苦手な物質なのですがこのオリーブアナアキゾウムシはこの物質によって食欲が増強され凶暴化するようです。
もともとはおとなしめでモクセイ科を好んでいたゾウムシは日本にオリーブが持ち込まれ栽培されるようになってから豹変してしまいました。
ではこのゾウムシによる被害は具体的にどのようなものなのでしょうか。
オリーブアナアキゾウムシの成虫はオリーブの根元付近の樹皮を食害しそこから木質部(もくしつぶ)に侵入し産卵、そこで羽化した幼虫がさらにオリーブの芯まで食害し、最悪の場合は枯れてしまうほどの大きなダメージを与えられてしまうケースもあります。
このゾウムシに食害されている場合、木の根元におがくずが必ず落ちています。
見つけ次第樹皮がかさぶたのように腐敗している箇所を探しそこを削り取りましょう。
中はぼろぼろになり成虫、幼虫ともに生活しているので腐敗部と一緒に削りだし駆除しましょう。
オリーブをゾウムシから守るための対策方法は?
被害に合う前に予防しておきたい方へおすすめなのが”スミチオン”という農薬をあらかじめ散布することです。
時期は4月、6月、8月の3回限りで50倍に希釈したスミチオンをオリーブの根元付近に散布します。
葉や実にかからないように十分に注意してください。
ですがオリーブによってきた成虫までこの農薬で駆除できるわけではないので成虫は見つけ次第取り除きましょう。
また、万が一ゾウムシが穴をあけてしまった場合はその穴にも流し込むようにスミチオンを散布しましょう。
そうすることでスミチオンが染み込んだ樹木を食したゾウムシたちを仕留めることができます。
オリーブアナアキゾウムシは木に卵を産み付けて、幼虫が中を食い荒らし外に出ていく。オリーブの木の周りにおがくずが落ちていたらやられている可能性高。対処はスミチオンを散布することと、木の周りの雑草を取って、ゾウムシが寄り付かなくすること。ゾウムシマジ危険。#オリーブ #オリーブオイル
— 織部司 (@olivenotsukasa) 2018年8月8日
まとめ
今回はゾウムシの駆除方法や対策についてご紹介しました。
成虫は見つけ次第駆除し、オリーブの根元におがくずが落ちていた場合は穴を探して成虫、幼虫ごと削りだし駆除しましょう。
また、スミチオン50倍希釈を年3回散布すると予防効果もあります。
正しい対策と駆除方法で愛するオリーブを守り育てぬきましょう。