乾燥に強く比較的耐寒性や耐陰性もあるオリーブは、日本においても関東以西で屋外栽培が可能です。

成長したら実をつけてくれるという楽しみもありますが、病害虫については常に注意しておく必要があるようです。

特に、木の幹に虫食いを見つけた場合は要注意ですので、対策方法を含めてご紹介します。

オリーブの木につく虫は?

オリーブの木につく虫の代表ともいえるのがオリーブアナアキゾウムシです。

名前のとおり、オリーブを好んで寄生する体長1.5㎝程度の虫で、夜行性のため昼間は木にぶら下がっており、夜中に交尾をして期の根元に卵を産み付けます。

幼虫は木の幹をエサとして穴を開けるほど食い荒らすため、それが原因で木に栄養がいきわたらなくなって枯れてしまうこともあるということです。

このオリーブアナアキゾウムシは、海外には存在しない日本の固有種であることがわかっていますが、ヨーロッパの地中海地方からもたらされたオリーブを好むのが興味深いところでもありますね。

一説によれば、オリーブの実などに含まれる『オレウロペイン』は虫や動物が嫌がる成分なのですが、なぜかオリーブアナアキゾウムシの食欲を刺激する効果があるといわれています。

オリーブの実が生の状態では渋くて食べられないのもこの成分のおかげなのですが、オリーブが自らを守るために持っている成分を好む虫がいたなんて皮肉な話でもありますよね。

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オリーブの幹に虫食いができた時には?

もしもオリーブの幹に虫食いを発見した場合、まずはその穴や株元を確認してみます。

おがくずのようなものがたまってる場合、間違いなくオリーブアナアキゾウムシに食害されていると思っていいでしょう。

すぐに出来る対処法として、穴に針金などを差し込んで退治する方法がありますが、大量に発生している場合は薬剤を使用するしかないでしょう。

『スミチオン乳剤』を50倍に希釈して穴の中や幹にかけますが、その際に実や葉にかからないように注意します。

として4月下旬と6月中旬頃に散布するのも効果的といわれます。

まとめ

オリーブそのものは他の生き物を遠ざける成分を持っているため、その性質を利用しようと庭などに植える方も多いと思いますが、その成分を好む虫がいることがわかりました。

オリーブアナアキゾウムシの寄生のサインを見逃さず、早めの対応をすることが大切です。

日々の手入れや観察を欠かさず、立派な木を育てたいものですね。