「平和の象徴」なんて意味もあって、自宅のシンボルツリーや、インテリアグリーン等でも人気な“オリーブの木”。
また栽培した“オリーブ”が実を付けた場合、オイルにしたり塩漬けにしたりで食べるにしても栄養満点でありますから、これまた楽しみの一つになりますね。
初心者でもおススメと言われる様に、ある程度成長してしまえば、水やり等もそこまで神経質にならなくても良かったり、日当たりの良さを気を付けるぐらいで済んだりと、毎日の様に目を光らせなくてもいいのというのも素敵ですね。
そんな“オリーブ”ですが、やはり最初に栽培する場合は、苗木から購入する方が大半ではないかと思われます。
それでは“オリーブ”の苗を購入する時の判断材料を述べていきたいと思います。
オリーブの苗はどれぐらい成長するの?
“オリーブ”は意外とスクスク育ってくれるタイプの様で、「20~30㎝で購入した苗木が2~3年で150㎝越えになりました」なんてよく聞きます。
最初の1年はあまり伸びなかったのに2年目にグングンと・・・というパターンも聞きますから、来たばかりの頃は環境を合わせる事に気を使って、次の年から一気に全開で成長しているのかもしれませんね。
鉢植えのや地植えなどの都合で、どれぐらいの高さまで育てるかは決めておかないと、気が付いたらへっちゃらで登れるぐらい成長してしまう事になりかねませんね。
オリーブの苗の選び方とは?!
上記で少し触れましたが、大半の方が何メートル級に成長しきった“オリーブの木”を購入するするよりは、「まだ苗木です」の様な小さめのを選びやすいのではないでしょうか。
直ぐにお店のインテリアで使いたいだったり、小さいのから育てるのが億劫で・・・という場合は別ですが・・・。
お値段からしても千円もしない苗木と、立派に2m近い1万円前後の木を見比べてしまうと、育てる楽しみも手伝って苗木に目が行ってしまうのは私だけではない・・・ですよね・・・?。
そんな苗木を選ぶ場合、これから成長させていく訳ですから、「自分がどのようなタイプの“オリーブ”が欲しいのか?」で選択していく必要があります。
なんといっても1000種類もあると言われている“オリーブの木”です。
しかしながら、“オリーブ”の原産地の地中海と日本の気候や土壌はちょっと違いますので、日本の農園で基本的に栽培されている数種類で、大まかな特徴を解説していきます。
まずは“オリーブ”の代表選手「ミッション」。
育ち方が、比較的上に上に真っすぐ伸びるタイプですので、育てる場所の横幅が気になるのでしたら、おススメとなります。
うまく剪定していけば、クリスマスツリーの代わりに使えそうなシルエットになりますね。
実を付けさせるなら、自身が成長するよりは頑張って実をつくってくれるタイプですので、成長後に実を収穫したい場合もおススメです。
塩漬けにもオイルにも向いている万能タイプかもしれません。
続いて「ルッカ」に行きます。
上記の「ミッション」とは逆に、横方向にも育っていくタイプで“オリーブの木”の中ではワサワサっと大きめな木に見えるかもしれませんね。
実を付けたい場合は、これまた「ミッション」と真逆で、実を付けるより自身が成長することに頑張るタイプですので、キチンと成長するまでは収穫は難しいかと思われます。
実を付けても、ほかの種類よりは小さめですので塩漬け等には向きません。
ですが、オリーブオイルを作りたいという方なら、この「ルッカ」が一番おススメと言われていますよ。
お次は「マンザロ」です。
育ち方は中々偏屈なようで、突然横にいったりあちこち好きなように伸びて広がるのだそうです。
そして「マンザロ」とは、スペイン語で小さなリンゴという意味なのだそうで、確かに小っちゃな青りんごのような丸々とした“オリーブ”の中では大きめの実が生ります。
実自体は柔らかくシロップ漬けに最適なのだとか。
その逆にオイルには味や油分が適していないため、向かないのだそうです。
そして一番ポピュラーな「ネバディロ・ブランコ」を紹介します。
見た目には何十年~何百年選手の様な風格が感じられる木だとも言われるそうです。
開花期間が一番長いという特徴もありますので、受粉要員で選ばれる事も多い様です。
しかし注意点も多少ある種でもあります。
花は沢山長いこと咲かせてはくれますが、雨量が多かったりすると実を付けてくれなかったりするそうです。
お次は「レッチーノ」です。
とにかく、大きくなりやすくタフという言葉がお似合いの木です。
世界標準でも高級なオイルが取れるのだそうです。
オイル向きという事ですので、そのまま実を漬けて食べるにはあまり向かないそうです。
そして最後に「アルベキーナ」。
印象は「レッチーノ」とは真逆で、こじんまりとしていて、木よりもモサモサした草の塊の様に見えるのだとか。
しかし自身が成長しない代わりに、びっくりするぐらい実を付けてくれるのだそうです。
こじんまりしているのは実も同じようで、漬けて食べるには物足りないですが、大量に実が生る為オイル用の種類とも言われています。
取り合えず、実を付けた姿をいち早く見たい!という場合でしたら、一押しな種類です。
またこじんまりな姿から、盆栽で楽しむ方達も多いのだそうですよ。
それぞれの特徴から、自宅に迎える“オリーブ”を選んでみて下さいね。
オリーブの苗の育て方とは?!
とにかく日向ぼっこが大好きな“オリーブ”ですので、必ず日が当たって風通しが良い場所に置いてあげてください。
鉢植えの場合は、鉢自体が移動も出来るように下に車輪付きのモノを付けておいた方がいいですね。
また極寒には弱いため、苗木がまだ一年生の様に幼い場合は、最初の冬は室内等の空調管理の元で過ごした方がいいかもしれません。
鉢植えの場合ですが“オリーブ”は、成長が早い方ですので、購入した後も何度か、なんか鉢とのバランスが大丈夫かな?
となる前に、鉢を一回り大きくする必要があります。
鉢代えの場合は、鉢の中が根でパンパンになってしまっている事がありますので、根をほぐして根腐れをおこしている黒っぽい部分は取り除いてあげて下さい。
鉢代えや地植えする時期は、“オリーブ”が活動をやめて休眠する秋口から花が咲くより前の春口が良さげです。
水やりは、乾燥には強い“オリーブの木”ですので、基本土が乾いてきたなぁと思ったら、水を上げるぐらいのペースで大丈夫です。
鉢植えの場合は、受け皿に水が溜まらないようにして下さい。
水を与えすぎると、根腐れを起こします。
また、季節によりますが、夏場は土が乾燥しやすいため、いつもより小まめにあげるようにして、反対に冬場は土が完全に乾燥してからたっぷりとあげて下さいね。
地植えの場合は、冬場は自然環境の雨でなんとかなるようです。
そして、立派に成長してもらうためには、肥料も肝心ですね。
“オリーブの木”はアルカリ性の土壌を好みますが、日本は酸性雨が降る土地柄の為、土壌は酸性に傾いています。
ですので、アルカリ性の土になるように、肥料を与えて環境を作ってあげる必要があります。
配分とかよくわからない場合は、便利な今の時代ですからちゃんと“オリーブ”用の土がありますので、そちらを使うと良いですね。
その後は一年に一度ぐらいは、酸性化しないように「苦土石灰」と呼ばれる石灰を混ぜてあげると良いそうです。
成分は簡単に言えば「カルシウム」「マグネシウム」「アルカリ成分」なのだそうです。
一度土を作ってあげれば、その後は花が散って果実がみらる頃から夏の終わりかけぐらいの頃と、収穫を終えた後から休眠から目を覚ます頃の、年2回肥料をあげる程度でよくなります。
ですが、元気がなくなったり、何かが不足していると“オリーブ”は、葉っぱが変化してSOSを出します。
丸まってきたりですと水不足だったり、黄色くなったり枯れたりするのはミネラルが不足している為だったりと何らかの理由がありますので、その場合は早急に対処してあげてくださいね。
最後になりましたが“オリーブ”を育てるにあたって、大事なのは、剪定をちゃんとしてあげる事です。
ほかっておくと、とんでもなく成長したり、逆に葉っぱが生い茂りすぎて、自ら影を作ってしまって日照不足に陥ったり、また栄養分が全体に行き届かずに栄養不足に陥ったりと、あまり良い事ではない状態となってしまうからです。
剪定する時期は新芽が出る前と、秋口にもう一度と言われてますから、肥料をあげる時に一緒にやってあげるようにすれば、一気に出来るかと思います。
オリーブは、新芽はその翌年に花を咲かせますので、前の年の枝を間違えて切ってしまうと、あれ?花が咲かない・・・という事態に陥ってしまいます。
花が咲かなければ当然ながら実も付きませんので、どれがどの枝か分からなくなりそうなら、印を付けたりした方がいいかも知れませんね。
基本、風が爽やかに通るイメージで枝を剪定しますので、枝葉がごちゃごちゃしていたら、左右交互になるように等梳いてあげる感じで行います。
根元の方からピヨっと生えているひこばえと呼ばれる枝や、明らかに下を向いて生えている枝などは、ばっさりカットしちゃいましょう。
まとめ
鑑賞する事も、収穫して食す事も色々な目的で育てる楽しみがある“オリーブ”。
どうせなら小さな姿から、購入時の目的を達成するまで、どんどん成長する姿を眺めていくのもまた一興ではないでしょうか。
“オリーブの木”と言っても、色々な種類がありますから、まずはどんな感じの“オリーブの木”を、おうちで育てるのかのイメージから楽しめますね。
盆栽からシンボルツリーまで、自由自在な“オリーブ”を是非育ててみて下さいね。